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機械いじりを仕事に!
「封筒製造」のプロ技術

当メディアは株式会社福島封筒をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。
目次
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福島封筒で封筒製造に携わること約30年、ベテラン製造職のY.Sさんにインタビュー。技術革新が進み、機械オペレーターが覚えることが変わってきたという一方で、これまで福島封筒で培われてきた技術力について「次世代に伝えていきたい」と語ります。

製造部
1996年入社
自社の封筒が自宅のポストに
届く瞬間にやりがいを感じる
Y.Sさん
Sさん

大手企業から官公庁で使われるものまで、多くの封筒を手掛けている福島封筒では、自社の封筒が巡り巡って社員の手元に届くことも少なくありません。「他社の封筒の出来や構造が気になることもあり、郵送物は中身を見る前に、封筒を分解してしまうのは、職業病かもしれませんね(笑)」

封筒製造の昔と今

封筒製造一筋30年の
ベテラン職人

Y.Sさんはいつから福島封筒で
お仕事をされていますか?

1996年に福島封筒へ入社しました。封筒製造の機械オペレーターとして働き、現在はいろんなチームの困りごとや分からないことをフォローして回る、流動的なポジションを担っています。

入社当時のことを教えてください。
Sさん

自分が入社したのは、福島封筒がまだ株式会社になる前でした。当時の現場は、まさに“昭和感”があって、軍手を使わず紙束を運んで手のひらが切れたり、指紋が擦り減ったりということもありましたね(笑)。機械も今より音がうるさくて、迫ってくるような感じでした。

入社当時と比べて
現在の現場はいかがですか?

今は、紙を扱う際は必ず軍手を着用しています。手を守るためというよりも、もし紙で手が切れてしまって血液が封筒に付着してしまうと、品質に大きな影響が出てしまうためです。機械の進化で言うと、昔は会社ごとに技術の差がありましたが、現在は機械を動かすのにダイヤルを回すだけで、人の手で調整する部分はだいぶ減っているので、そこまで大変ではないと思います。

時代の流れとともに
現場も変化

時代とともに業界全体の変化も
感じていますか?

封筒製造は、景気や時勢の影響が出やすい業界かなと感じます。景気が良ければ、紙や加工にお金をかけてデザインの凝った封筒も増えていきます。そうした特殊なオーダーでしか使わない技術もあります。

この仕事がおもしろいなと
気付いたのはいつ頃ですか?

福島封筒は、よく見かける有名企業の封筒や選挙の時に届く封筒なども手掛けているので、そういうものが自分の手元に届くと「これ、うちで作った封筒だな」と、うれしくなります。

職業病ではないですが、やっぱり他社の封筒も気になります。他社ではどういうふうに作っているのか気になって、くっついている部分は糊をはがして調べたりします。

福島封筒の
1日のスケジュール

ここでは、Y.Sさんのある1日の流れについて例をご紹介します。

工場勤務(昼勤)のケース

8:45
出勤・機械の立ち上げ開始

出社後はすぐに複合機の立ち上げに入ります。複合機は大型のため、本稼働までには20~25分ほど準備が必要です。

まず製袋や口糊加工、窓加工に使う糊をそれぞれセットし、いきなり回転数を上げないよう、アイドリング(暖気運転)を行います。その間に軽い清掃も並行して行います。

9:10頃
機械の本稼働スタート

9:10頃までには本格的な生産を開始。ここまでに稼働が始まらないと、後の工程に影響が出るため、段取りのスピードが問われる時間帯です。機械が回り始めてからはスケジュール通りに進めることが重要で、まさに「電車のダイヤを守るような感覚」です。

12:00
昼休憩
13:00
午後の作業スタート

午後の生産作業を再開。生産スケジュールに沿って機械を稼働させ続けます。封筒の加工内容によって、調整や確認作業をこまめに行いながら、安定稼働を維持します。15:00頃に15分の小休憩を挟みます。

17:45
稼働停止・機械の清掃・点検

退勤に向けて使用した糊の残量やパーツのチェックを行いながら、機械の停止準備に入ります。清掃作業もあわせて行い、翌日の稼働に支障が出ないよう整えておきます。

18:00
退勤

スケジュールに遅れがない限り、18:00で定時退勤となります。進行状況によっては、当日のうちに10分~15分の調整で巻き返すこともできます。

機械が止まっている
時間こそ勝負どころ

Sさんが語る“段取りの流儀”

機械の操作で一番重要なポイントを
教えてください。

機械の回転数は決まっているので、回し始めてしまえば滞りなく進みます。未経験の方からすると意外かもしれませんが、出来の良し悪しに違いが出るのは、実は稼働前の“止まってる時間”なんです。

段取り、準備、セッティングなど、そこをどれだけ早く正確に終わらせられるか。その時間が、プロの腕の見せどころかもしれませんね。

新人の方が、最初に難しいと
感じる部分はどんなところですか?

たとえば、別の封筒オーダー用に機械を切り替えるときに、設定を丸ごと変える必要があるんですが、その設定変更のためだけに30分から1時間かかることもざらにあります。熟練者と新人だと、この変更時間に大きく差が出ます。機械を回し始めてからではなく、機械を“回す前の段取り”つまり動かすまでが勝負になってきます。

朝の段取りが1日のカギを
握っているんですね。

そうですね。複合機の場合、9:10頃までに本稼働を始めないと後のスケジュールに影響が出てきます。仮に朝の段取りで10分くらい遅れてしまっても、その後の作業の中でちょっとずつ巻き返すことはできます。

午後の清掃の時間を少し短縮したり、機械を止めるタイミングを工夫したりして、遅れを“吸収していく”という感じですね。ただ、30分~1時間の遅れがあると、1日の中では挽回が難しいため、できるだけ早い午前の段階で微調整しておくのがコツです。5分の差でも、後ろに影響しますから。

新人オペレーターの
仕事の覚え方

作業内容は動画マニュアルで
標準化

福島封筒では、新人社員に
どのように仕事を教えていますか?

現在は「tebiki(てびき)」という動画マニュアルを使って基本的な業務手順を覚えてもらいます。共通のツールを通して学ぶので、人によって教え方が違うとか、言っていることが違うということは基本的にありません。

動画マニュアルも見てもらいますが、あくまで予習としてです。現場はイレギュラーなことも起こるので、実践を通じて見たり作業したりすることを重視しています。

新人の方に意識してほしいことは
ありますか?

やっぱり先輩たちに話を聞くことですかね。中途採用は同期が少なく、年齢もまちまちなので、人によっては「相談できる相手がいない」と感じるようです。でも、なるべく近い先輩に話を聞くことを意識してほしいと思います。そういうことが苦手な人には、こちらから声を掛けることも心掛けています。

機械の大きさ=難しさ
ではない

福島封筒の工場には、大型の機械も
多くありますね。

複合機は、1台の中で複数の加工を同時にできる大型機械です。初心者は一つの加工に特化した単独機の方が扱いやすいです。でも、いずれも基本的にはマニュアルがあるものなので、教わったことを着実にやってもらえれば形になります。あまり難しく考えすぎないで、まずはやってみてほしいですね。

未経験の方は、単独機から
慣れていくのでしょうか?

単独機と比べると複合機の方が複雑なので、いきなり複合機の担当になることはほとんどありません。機械の大きさは、封筒のサイズによって決まるだけなので、大型か小型かは複雑さとはあまり関係ありません。

複合機を扱えるようになるまでは、
どのくらいの経験が必要でしょうか。
複合機のイメージ

自分が教える場合、複合機の配属までは1年くらいを目安として見ています。1年スパンで教育スケジュールを組みますが、その人の個性によって、1年より長くなったり短くなったりすることもあります。

2名体制のペアは、どのように
決まるのでしょうか?

組み合わせに経験は関係ないので、新人とベテランで組むという決まりも特にありません。誰と誰を組ませるかは部署ごとの職長たちが決めますが、未経験者はとりあえず機械に触れてもらい、機械とその人との相性を見て決めることもあります。

スキルアップのポイントは
素直さ

早く機械に慣れるための
ポイントを教えてください。

最初はよく分からなくても、まずは言われたとおりに手を動かしてみるのが大事です。やっていくうちに、「ああ、こういうことか」と感覚で理解してくることが多いので、まずは教わったことを素直に受け入れてやってみてほしいですね。

もちろん最初は、時間を設けて集中的に教えます。ただ、受注案件をこなす中では立ち止まって細かく教える時間が取れないこともあるので、そういうときに自分で「やってみる」姿勢を持てる人が、成長していけると思います。

福島封筒の製造職に
向いている人とは

日々の小さな「違い」に
気づける人が活躍できる

どんな人が機械オペレーターの
仕事に向いていると思いますか?

間違い探しが好きな人かなと思います。毎日たくさんの封筒を製造していて、「今日何かちょっと違う」とか、そういう異変に気が付く人ですかね。働くうちに封筒への興味が出てくると、そういうものは自然と発見できてくるものです。

機械好きやコツコツと作業することが
好きな人に合った仕事でしょうか。

これはおそらく一番ミスマッチが起こりやすい部分だと思います。最近の機械は、誰でも気負わずに扱えるよう標準化されています。ですので、本格的に機械をいじりたい人にとっては、少し物足りなく感じるかもしれません。機械に触れながら作業はしますが、パーツを細かく分解したり改造したりするような仕事ではないので、「機械好き」の期待とギャップが出ることもあります。

そして、工場=コツコツと仕事する場所と思う方も多いですが、実際はお客様とお約束した納期があるので、自分のペースだけで仕事することはほぼありません。コツコツというよりは、周りを見て、コミュニケーションを取ったり連携したりするチーム作業です。

専門的な技術は必要ですか?

専門性の高い技術は必要ありません。福島封筒には、さまざまなバリエーションの機械があって、封筒業界の中でも多彩なほうなので、そういうところに興味を持ってもらえたらうれしいですね。

受け継いできた技術を、
次の世代へつなぎたい

「技術を絶やさない」ために
できること

今後の目標について教えてください。
Sさん

今後やっていきたいことは、自分の持っている技術の還元です。長くやってきて蓄積されたノウハウも、持っているだけじゃ意味がない。使ってくれる人がいないと、そのまま消えてしまうものなんです。だからこそ、自分が知っているうちに、ちゃんと後世に伝えられればいいなと思っています。

※お電話(03-5392-2661)での問い合わせは、当メディア「FuLAB(ふうらぼ)を見た」とお伝えください。

福島封筒「製造職」
正社員 採用情報

雇用形態 正社員
勤務時間 実働時間:1日あたり8時間(シフト制)
【日勤】8時45分~18時/
【夜勤】20時45分~翌6時
休日休暇 週休2日制(土日)、祝日、夏季休暇・
年末年始休暇、慶弔休暇、有給休暇
給与 月給22~30万円
※2025年7月調査時点の情報です。

福島封筒は、東京都板橋区に本社を構える封筒製造の会社です。自社工場を保有し、仕様決定から納品までワンストップで対応できるため、高品質な封筒を短納期でお届けできることが強みです。そのため、大手通信会社や保険会社、官公庁など多くの取引先から厚い信頼をいただき、安定した業績が続いています。

そんな福島封筒は2025年に創業60周年を迎えます。今後のさらなる発展を目指して、一緒にものづくりをする仲間を募集しています。業界未経験からでもチャレンジできる環境が整っていますので、興味を持った方はご応募ください。

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株式会社福島封筒

福島封筒では現在、営業職・製造職の中途採用を強化しています。経験の有無にかかわらず、意欲のある方を歓迎しております。「仕事内容や働き方を詳しく知りたい」という方も、まずはエントリーフォームよりご連絡ください。

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メディア監修
株式会社福島封筒
株式会社福島封筒
機械が好き・話すことが好きな人が
活躍できる専門会社

都内では珍しく大規模な生産設備を持つ「福島封筒」は、機械操作が得意な方も、コミュニケーション力を活かして未経験からチャレンジしてみたい方も、それぞれの強みを発揮できる会社です。

製造と営業が連携し、企画から発送までを内製化できる高い専門性が評価され、大手企業や官公庁をはじめ、全国のクライアントから厚い信頼を寄せられています。

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『FuLAB(ふうらぼ)』は、未経験から何か一つの分野を専門的に極めたいと考える人に向けて、「封筒製造」に関わる仕事内容と働く魅力を伝えるメディアです。「ものづくりに関わる仕事」「営業にチャレンジしてみたい」という皆さんを応援します。